英語を話せるようになりたいな、と思うことありますよね。仕事の幅も広がって年収も上がるし、ちょっとかっこいい。ネイティブ並みとはいかなくても、「自分の言いたいことを表現できるようになりたい!」と思う人は多いのではないでしょうか。
今回は、英語の会話力を上げるために知っておきたいことを書いています。
この記事を書いているのは、独学で英語を勉強して話せるようになった人。下記のような経験に基づいて、書いています。
- 独学でTOEIC935点取得
- 英語コーチングの理論を習得している
- 英語以外の外国語を習得した経験がある(スペイン語、フランス語、ラテン語)
上記のように、英語のビジネス経験やコーチング経験から、初心者の人が遠回りせずに英語を話せるようになるために、ぜひ覚えておきたいポイントを挙げていきます。
この記事を読めば、次のことが分かります。
- 会話力を上げるために必要な能力、プロセス、解決策とは
- 初心者がまず目指したい会話レベルとは
- 英会話教室の効果的な利用のしかたとは
- 話すトレーニングをするためのアプリ
もし、この記事の内容を理解しないまま英語を勉強した場合、もしかしたらあなたは、効果的な勉強方法ができず、無駄に時間を使ってしまうかもしれません。
早速読んでみましょう!
外国語の会話力を上げるために必要な能力とは
英語を含む外国語を学ぶ時に、まず覚えておきたいこと、それは「外国語の運用能力は次の4つに分けられる」という点です。
- 聞く(リスニング):英語を音声で聞いて、意味をイメージする能力
- 読む(リーディング):英語の文字を見て、意味をイメージする能力
- 話す(スピーキング):言いたいことを概念で表し、音声で伝える能力
- 書く(ライティング):言いたいことを概念で表し、文字で伝える能力
(この辺りは、ざっと見ていただければOK)
外国語の運用能力、それは①リスニング、②リーディング、③スピーキング、④ライティング、の4点に集約されます。そして、この4つ以外には存在しないです。
上記の①「聞く」と②「読む」は共通点があります。すなわち、インプットした外国語を、頭の中で具体的にイメージするということです。
例えば、「聞く」には、耳で聞いた情報を、頭の中で具体的にイメージできる能力が必要。そして「読む」ためには、英語の文字を見て、意味を脳内でイメージできることが必要です。
そして③「話す」と④「書く」にも共通点があります。それは、脳内でイメージした概念を、アウトプットして伝えるということ。
例えば「話す」には、頭の中でイメージした自分の言いたいことを、音声で伝えること、そして「書く」には、言いたいことを概念で表し、文字で伝えることがポイントです。
さて、この辺りから本題に入っていきます。
今回の記事では「英語の会話力を上げる方法」を分析するので、上記のなかで、特に「話す」ために必要な能力をピックアップしてみます。
すると、以下の2つに絞られてきます。
- 音声知覚
- 意味理解
- 概念化
- 文章化
- 音声化
外国語での会話を成立させるためには、上記のように、「聞く」と「話す」の2つの能力が必要なのです。。
①「聞く」ためには「音声で聞いて、意味を理解する能力」、つまり「音声理解」と「意味理解」の2つが必要。
そして③「話す」には「言いたいことを概念で表し、音声で伝える能力」が必要です。そのためには「概念化」、「文章化」、「音声化」の3つが瞬時に求められます。
つまり私たちが外国語を使って会話するとき、「聞く」と「話す」という2つの工程を経るということ。そのため、上記のような能力を身に着ける必要があるのです。
こうして「話す」能力についてじっくり考えてみて気づくのは、多くの日本人が「英語が話せない」というのは当然ということ。なぜなら「話すためのトレーニングを学校で受けていない」からなのです。
会話力を上げるための3つのプロセスとは
それでは、スピーキング力を鍛えるには、具体的にどうすればいいのでしょうか?「話す(スピーキング)」に必要なプロセスを理解するため、もう少し細かく見ていきます。
英語を第二言語として学習する人が、話すために必要なプロセスについて、前項目では「概念化」、「文章化」、「音声化」と述べました。
それぞれの意味を、具体的に見てみましょう。
例えば「私はコーヒーを一杯いれています」という文章を話す場合、それぞれのプロセスは、次のように当てはめることができます。
- 概念化:頭の中で「自分がコーヒーをいれている場面」をイメージする
- 文章化:脳の中で文章にする
- 【私は=I、いれる=am making、コーヒーを一杯=a cup of coffee】
- 音声化:上記を口に出す “I am making a cup of coffee”
このように「概念化」→「文章化」→「音声化」の3つのプロセスを経て初めて、「私はコーヒーを一杯いれています」という文章を口にすることができるのです。
けっこう長い工程ですよね(T-T)
筆者にも身に覚えがあるのですが、我々日本人が一番苦労するのは、この文章化の部分だったりします。頭の中で文章化がすることができずにストップしてしまい、外国語で何も言えなくなってしまう場合があるのです。
これができるようになるには、専用のトレーニングが必要。次の項目で具体的にご紹介します。
会話力を上げるための解決策2つ
会話力を構成する「①聞く力(リスニング)」、「②話す力(スピーキング)」について、それぞれの効果的なトレーニング方法を見ていきます。
①聞く力(リスニング)を上げるためには?
まず、聞く力(リスニング)を鍛えるためには、「シャドウイング」が効果的です。
シャドウイングとは、ネイティブスピーカーの話す文章を、自分で声に出して読むこと。一見地味な作業ですが、効果は抜群です。
シャドウイングを続けると、頭で考えなくても音声で意味を理解できるようになり、結果的にリスニングが楽にできるようになります。
「一日に何分ぐらいシャドウイングするべきか?」という部分ですが、大手の英会話コーチングスクールでは、「1日45分以上」行うことをお勧めしています。
もちろん、こういう学習効果には個人差があります。
筆者の場合は、高校生のときに1日15分毎日シャドウイングして、わりとすんなりとリスニングできるようになったので、世の中にはもっと早い人もいると予想します。
その時の筆者の体験談と勉強方法は、独学でのTOEIC900以上の取り方と、留学なしの英語で外資系企業で働いてみた結果、の記事にまとめています。
以上が、リスニング力向上の秘訣です。シャドウイングはやってみると楽しいので、ぜひお試しください!
②話す力(スピーキング)を上げるためには?
次に、話す力(スピーキング)を鍛えるには、どういう方法があるでしょうか。
「文章化」の能力をトレーニングする方法として、『瞬間英作文トレーニング』という教材を使った自主練習が効果的で、よく知られています。
この教材『瞬間英作文トレーニング』では、中学生レベルの単語での短い会話を、瞬時にアウトプットすることをひたすら繰り返していきます。例えば、「父が私に本を一冊くれた」というような例文を、1秒間隔ぐらいで英語にするような練習を、890題繰り返すのです。
この練習によって、日本語で無意識に考えていることを、英語に変換していくことができます。何度も繰り返し行い、瞬間的に英語を発することができるまで練習することで、さっと英語が話せるようになっていきます。
大手の英会話コーチングスクールでは、この教材を使った自主トレーニングを「1日45分以上」行うことを目安としています。
つまり、結局行きつく所は「この本を毎日自分でこなす」というトレーニングになるわけです。やるべきことはハッキリしましたね。
もちろん、「自分一人ではどうしても本を進めることができない!」という方は、誰かにお願いしても良いでしょう。ただメンタルが大丈夫な限りは、「人に頼らない」のが一番効果的ではないでしょうか。なぜなら、方法論は一つだからです。
ちなみに筆者は、実務で英語を毎日ひたすら使う環境にあったので、この種の自主練習は行っていません。
例えば外資系企業のように、英語で毎日業務を行い、「言語に関わらず結果を出さなくては」というプレッシャーがあり、恥をかきながらでも英語で仕事をする環境にある人は、こうした自主練習がなくても、スピーキングを鍛えることができると考えます。
『瞬間英作文トレーニング』は、英語を継続的にアウトプットする環境にない方や、「いきなり人前で話すのは恥ずかしい」といった方の勉強方法として、ご紹介しました。
初心者がまず目指したい会話レベルとは
ここまでご紹介したような「聞く」と「話す」の練習を行いながら、まずは「中高生レベルの単語」で意思疎通ができることを目指しましょう。変なスラングを覚えるのは、そのあとです!
なぜ「中高生レベルの単語」なのか?と思う方もいるかもしれません。確かにちょっと地味ですよね。でも実は、「日常会話には十分な単語量」なのです。
もう少し詳しく説明します。次のように、日本の中高生が習得する英語の単語数と、英語の日常会話で使う単語数を比べてみると、分かりやすいです。
- 日本の中高生が習得する英単語数:約3400語
- 中学校:約1100語
- 高校:約2300語
- 英語の一般的な単語の約94%:約2800語
- 英語の日常会話の単語の約90%:約700語
(出典:NEW GENERAL SERVICE LIST)
上記のとおり、日本の中高生が学ぶ英単語は、約3400語と言われています。
それに対し、一般的な英単語の約94%を構成するのは、約2800語。これはなんと、日本の中高生の学ぶ英単語よりも、600語程度少ないです。
さらに上記から、「英語の日常会話の約90%は、約700語で構成されている」ということが分かります。
つまり、日本の中高生の単語レベルを確実に身に付け、アウトプットすることができれば、英語で日常会話を行うには十分なレベルなのです。
上記の理由から、まずは中学高校レベルの英単語で会話ができることを目指したいですね。
英会話教室の効果的な利用のしかたとは
そして、英会話教室やオンライン英会話との付き合い方についても書いておきます。
英会話教室、今やたくさんありますよね。お値段もお手頃で、手の届く価格で実戦練習を積むことができて大変便利。でも、英会話教室「だけ」で、話せるようになるのでしょうか。
英会話教室「だけ」で、話せるようになるのか?
筆者が英会話教室に参加してみて分かったのは、スクール形式では、英語を話すというよりも、「良くも悪くも、決められたテキストを型通りにこなすこと」が最大の目的になってしまうということ。
実は、ある程度「型」にはめた授業をする方が、講師にとっては楽ちんだったりします。なぜなら、指導方法に頭を使って悩んだり、一人一人のレベルに合わせたりしなくて良いから。
スクール運営側にとっても、品質管理の面で、ある程度の「スタンダード」がある方が、講師を管理しやすいメリットがあります。講師のスキルや品質も、人によってバラバラだからです。
全項目で見てきた通り、「聞く」と「話す」ために必要な能力は、次の5つでした。
- 音声知覚
- 意味理解
- 概念化
- 文章化
- 音声化
これらのスキルをすべて英会話教室だけで身に付けようとすると、ものすごい膨大な時間(=お金)をその会社に使うことになっちゃいます。
もちろんお金と時間に余裕のある人は別ですが、一般的なビジネスパーソンとしては、「なるべく費用も時間も最小限に抑えて、最大限の効果を上げたい」のが本音じゃないでしょうか。
英会話教室=「実戦練習」の場
それでは、英会話教室は、どうやって利用するのが良いのでしょうか。
結論から言うと、筆者は英会話教室は、今までのインプットでどこまで通用するか試す、「実戦練習」の場として活用するのが良いと考えます。
例えば英会話教室では、実際に講師との会話を行いますよね。ネイティブスピーカーの先生もいれば、日本人の先生もいるでしょう。この講師との会話が、いわば「実戦練習」と言えます。
こうした実戦練習を通して、外国語で言いたいことを言えたり、あるいは言いたいことを言えなくて悔しい思いをする経験を積むことができます。
または会話中に単語やフレーズを間違えてしまい、恥をかいてしまうこともあるかもしれません。自分が発して恥をかいた言葉って、嫌でも忘れません。何年たっても強烈に記憶に残るのです。そうした「実戦練習」を行うことができるのが、英会話教室に行くメリットです。
もし私が読者の方に、「英会話教室に通うだけで、英語が話せるようになると思う?」と聞かれたら、上記のように説明すると思います。なぜなら、「英会話教室に行けば話せるようになるはず」という思い込みで、お金と時間を無駄にしてほしくないからです。
それでは英会話教室との効果的な付き合い方について、以下にまとめます。
- 英会話教室は、それまでのインプットを試す「実戦練習」の場
- ある程度の会話レベルに達した人が「自分の英語がどこまで通用するか?」を確認するのに便利
こうした「実戦練習」の場としての利用以外では、ある程度の会話レベルに達した人が、「自分の英語がどこまで通用するか?」を確認する場として活用するのも効果的でしょう。
「オンライン英会話教室は結局どれがいいの?」と思った方は、料金比較:オンライン英会話教室の選び方とは?大人向け・ビジネス英語の記事で詳しく書いています。こちらもご参照ください。
話すトレーニングをするためのアプリ
こうした「話すトレーニング」が、自宅でカンタンにできたらいいな、と思う人もいるのではないでしょうか。そんな人にお勧めのアプリが、「トーキングマラソン」です。
トーキングマラソンは、英語のアウトプットを目的として作られており、「スマホ相手に自主トレ」ができるアプリ。おもな特徴は、次の通りです。
- 目的:「スマホ相手に英語の自主トレ」ができるアプリ
- コンテンツ:同社の「キクタン英会話」をベースとして制作されている
- フレーズ数:数千フレーズの中から使用頻度の高い520フレーズに絞り込んで紹介
- 月額:4378円(税込み)
語学教育の本やサービスで有名なアルク社から出ている、トーキングマラソン。コンテンツは、英語学習者にはおなじみの人気書籍キクタン英会話をベースとして制作されています。
コンテンツ作成にあたり、英語の映画やドラマ、そしてアメリカで出版されている英語学習者向けのフレーズなどを徹底的に分析したのだそう。
そこから今度は、使用頻度の高いものに絞り込み、「日常生活で使える+らくらく覚えられる」フレーズ520に厳選して紹介しています。クオリティは、間違いなしですね。
体験談:「トーキングマラソン」を使ってみた結果
「ふむふむ、何となくよさそうだけど、実際使ってみないと分からない!」と思い、さっそく試してみました。
率直な感想として、良かった点と、いまいちだった点をまとめました。
- 簡単な短文を口をついて出てくるまで何度も練習できる
- アプリに向かって話すが、回答が合っていれば褒めてくれる
- 別の単語を使った言い換えの練習ができる
- 自分のスコアを確認し、成長度合いが一目でわかる
- 1回のレッスンをすべて行っても、5分程度で終了
- 発音の良さまではトレーニングできない模様
まず面白いのは、自分の発した音声をアプリが読み取って、内容にあわせて”Excellent, Great, Good, You can do it, Speak up”などの評価が返ってくるところ。
スマホに向かって一人で練習しているのに、回答内容によってはアプリが「もっと頑張れ」とか、「よくできました」と反応してくれるので、ちょっと嬉しいです。
一つの言い方を覚えたら、それを他の場面で応用する練習ができるのもポイント。トーキングマラソンに限りませんが、単語を変えて言い換える練習を積むことができれば、英語の会話力を鍛えるのにとても効果的です。
また、自分の成長具合がスコアで見れるのも、モチベーションにつながります。
発音については、カタカナ読みでも、英語っぽく読んでも、だいたい読み取ってくれるようでした。つまり、このアプリで発音の矯正まではできません。自分でシャドウイングしましょう!
所感:スキマ時間の有効活用に良い
合計3つのスキット(レッスンプログラム)をやってみましたが、トータルでも5分以内に終了しちゃいました。それでもポイントはしっかり頭に入っていて、すごいです、トーキングマラソン。
これなら、夜寝る前とか、お風呂を入れているスキマ時間に、ちょっと英語の会話力を上げる練習ができるんじゃないでしょうか。
ただ、このアプリはとても優秀だとは思いますが、5分ぐらいで終わってしまうため、他のアウトプット手段も並行して行った方が、より効率的です。
同社によると、2週間無料でトライアルできるそうです。気になった方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、英語の会話力を上げ、スピーキングを鍛えるために、次のような点についてみてきました。
- 会話力を上げるために必要な能力、プロセス、解決策とは
- 初心者がまず目指したい会話レベルとは
- 英会話教室の効果的な利用のしかたとは
- 話すトレーニングをするためのアプリ
ところで、巷の広告でよく見る「英語を浴びるように聞くだけで話せるようになる」というコピー、ありますよね。「聞くだけでOKなら、楽ちんかも」と思ったことがある人もいるかもしれません。
でも、筆者は「聞くだけ」というロジックには懐疑的です。この記事をお読みになった読者の方には、もう理由がお分かりなのではないでしょうか。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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