インド・バラナシのガンジス河は、現地に暮らす人々の生活の要所であり、ヒンドゥー教の輪廻転生の舞台でもあり、外国人が集まる一大観光スポットでもあります。
バラナシのガンジス河を訪れたら、ここは絶対見ておきたい!という見どころを、次の4つに分けてご紹介します。
- ガンジス河の日の出を見る
- ボートに乗る
- 火葬場ガートを見学する
- 河岸でプージャーを見る
この記事を書いている人は、無類の旅行好きで、海外20か国以上をまわったことのある女性。何年か前に、一人でインド・バラナシを訪れた経験をもとに書いています。
英語でのコミュニケーションは問題ないので、現地のインド人とのお話から、ヒンドゥー教徒の死生観も考察してみました。
これを読めば、上の4つの観光スポットの注意点や、「ヒンドゥー教徒にとってなぜバラナシが聖地なのか?」とか、「ヒンドゥー教と仏教の輪廻転生の違い」といった、ちょっとディープなインドが分かっちゃいます。
早速読んでみましょう!
見どころ①ガンジス河の日の出
インド・バラナシは、朝早くガンジス河で沐浴する人が多いことで知られます。
バラナシに滞在したら、少し早起きして「ガンジス河の日の出」を見に行ってみてはどうでしょうか。
上の画像は、日の出前の朝5時ぐらいの「ダシャ―シュワメード・ガート(Dashashwamedh Ghat)」。このガートは、バラナシで最も人が集まる中心地のような場所です。
一つ注意したいのが、夜明け前のバラナシは暗くて、街灯が無いので、道中歩くのに懐中電灯は必須ということ。
ただでさえ道が細くて迷いやすいのですが、辺りが真っ暗だったので、筆者は道に迷ってしまいました。どの道を曲がっても、似たような路地で見分けがつかず、ついに行き止まりになってしまったり。
「まずい、せっかく早起きしたのに、このままじゃ、ガートに着くまでに夜が明けてしまう!」と、辺りを見回すと、ちょうど通りを歩いていたインド人のおじさんがいます。
恐らく近所のおじさんのようです。
筆者が「すみません、ダシャ―シュワメード・ガートにどうやって行けばいいですか」と英語で道を聞いたところ、「こっちこっち」と、親切にガート周辺まで連れて行ってくれました。(感謝)
ガンジス河で沐浴する人々
ダシャ―シュワメード・ガートに着くと、朝5時半ぐらいでしたが、すでにたくさんのインド人や、観光客が集まっています。初めて行った筆者は、ちょっとびっくりするほど。
とりあえず、河岸まで歩いて降りていきます。
上の画像は、現地のヒンドゥー教徒の女性たちでしょうか。夜明け前から、沐浴をしている様子。ガンジス河で沐浴すると全ての罪をリセットされる、とヒンドゥー教では考えられています。
朝日をうっすらと浴びたシルエットがとても美しくて、思わず息を飲んでしまいました。
お祈りグッズを売る人々
上の画像は、ガンジス河でお祈りグッズを売る男性。
沐浴をする人たちの近くで、このような「花びらとロウソク」のセットを販売している人もちらほら見かけます。
水の上に桶を浮かべているのが、何となく風流ですよね。花びらの濃いピンク色が、とても鮮やかできれいです。
洗濯する人々
上の画像は、手前に「衣類の洗濯をしている女性2名」が写っています。ガンジス河の水に布を浸し、手で洗っている様子。
その向こう側に4人並んでいる男性たちは、朝日を眺めながらお祈りしています。遠目にも、気持ちよさそうですね。
洗濯や沐浴など、それぞれの人が、朝のガンジス河で思い思いに過ごしているのが伝わってきます。
こうして、ガンジス河が人々の生活に密着した様子を目にすると、日本人にとっては旅先の風景かもしれませんが、現地の人にとっては日常生活の大切な一部なのだな、と思い知らされます。
太陽が昇るのに合わせて、ドラムの演奏が行われる
そしてガート付近では、太陽が昇るのに合わせて、ドラムの演奏が行われていました。かなりドラマチックで、迫力のある演出。一番の見どころです。
この日、ドラムの演奏と共に太陽が昇って、辺りが完全に明るくなったのは、時刻6時過ぎだったと思います。ダシャ―シュワメード・ガートでは、相変わらず大勢の人が、朝の沐浴を行っています。
こうして、あらゆる年代、性別、階層を超えた人たちが集まって沐浴するのを目にすると、ヒンドゥー教の人たちにとっては、大切な聖地なんだということが分かります。
朝6時から色んな人が集まる
ガート周辺には、様々な人が集まります。上の画像は、どうやら床屋さんのよう。ガンジス河の近くで、髪の毛を剃っているみたいです。
しかしなぜ、朝6時から髪の毛を剃っているのでしょうか。
いや、ここは聖地バラナシ。そんな小さなことは問題じゃないのです!(多分)
そして、現地の人と同じぐらいたくさんいるのが、外国人観光客。やはりバラナシに来たからには、朝のガンジス河は外せないですよね!
カメラで朝日をパシャパシャ撮る人、沐浴する人を眺める人、ただ集まってる人もたくさんいました。朝6時ですが、雰囲気としては「一大観光スポット」。
とにかく人が多いので、手荷物や貴重品にはご注意を。不要な手荷物は、なるべく持ち歩かないのが一番です。
注意点
ダシャ―シュワメード・ガートに朝日を見に行く時の注意点を、以下にまとめます。
- 日の出の時刻を調べて、夜明け前に出かけるのがおすすめ
- 道が暗いので、懐中電灯はあった方が良い
- とにかく人が多いので、スリなどに注意する
朝暗い時刻から行動するので、懐中電灯を持っていってよかったと思いました。
ダシャ―シュワメード・ガートは観光スポットで、人通りが多く、治安が悪い雰囲気はありません。ただし、貴重品の管理にはご注意ください。
見どころ②ガンジス河でボートに乗る
次の見どころは、ボートに乗った観光です。ガンジス河では、ガート間を小さいボートで移動することも可能。陸からの眺めと、ボートの上からの眺めでは、全く異なる景色が楽しめちゃいます。
一番メジャーなボート乗り場は「ダシャ―シュワメード・ガート」ですが、他の小さめのガートにも、観光客用のボートが並んでいます。ガンジス河に来たら、一度は乗ってみてはいかがでしょうか。
値段交渉(大変だった)
ボートに乗るにあたり、まずは料金交渉が必要です。
筆者の場合は、他の旅行者がすでに申し込んでいたボートに便乗させてもらいました。当日、朝5時過ぎにガートに集合します。
ボートの値段は、某ガイドブックによると「相場は100ルピー前後」と書いてありますが、この時はちょっと高めの、400ルピーでした。
なぜその値段になったかというと、現地で会った日本人がすでにインド人に、「400ルピー払う」と言ってしまっていたから。
筆者が「400はちょっと高すぎるんじゃないですか?相場は100ぐらいと聞いたけど」と何度言っても、「日本人同士で一緒に乗るなら、400ルピーじゃないとダメだ」と言い張るのです。
最初は頑張って英語で値段交渉しましたが、10分以上話しても、相手はなかなか折れません。
しまいには「400ルピー払わないなんて、お前は日本人じゃない!」とか言われる始末。朝5時から、殺伐とした雰囲気になってきました。
この時考えたのが、「仮に交渉が成功して半額になったとしても、日本円で数百円の節約にしかならない」ということ。
「せっかくの旅行で、この無益な話し合いに時間を費やすのももったいない。この際、時間をお金で買うのも悪くない」という気分になってきたのです。
ここで覚えておきたいのが、こういう殺伐としたお金のディスカッションが、インドにいる間じゅう続くということ。笑
インドだけでなく、エジプト、モロッコなどにも共通してみられる、こうした料金交渉。どこ行ってもこれなので毎回疲れてきますが、「日本人は楽勝」と思われないよう頑張ってください!笑
インド、エジプト、モロッコ全部に行った筆者が考える「料金交渉のコツ」は、想定以上の金額を言われたら絶対に払わず、時には「じゃあ要らない」と言って立ち去るなど、リミットを設けることだと思います。
やっとボートに搭乗
お金を払った後は、やっとボートに搭乗。ここから先は船頭さんに案内してもらい、ボートに乗せてもらいます。手漕ぎボートなので、のんびり、ゆったりなスピード。
船頭さんは、我々が日本人だと話すと、とても喜んでくれました。「日本人は良い、ヒンドゥー教徒を尊重してくれるから」とのこと。ちょっと嬉しいですね!
ボートは「ダシャ―シュワメード・ガート」を出発し、ゆっくり北上しながら、いくつかのガートを周ります。
いつもは茶色いガンジス河なのに、光の加減でしょうか。上の画像の朝のガンジス河は、なんだか灰色に見えました。まるで、別世界とつながる河みたいな、神秘的な雰囲気です。
水に浸かってるインド人が楽しそう
ガンジス河には、大小のガートがたくさんあり、ボートでゆっくりまわることができます。
上の画像のように、朝の沐浴をする現地の人、頭から身体までジャブジャブ洗っている人、ただ座ってガンジス河を見てる人、様々でした。
沐浴中の皆さんを写真に撮っていたら、画像の中央のお兄やんが、カメラに向かってポーズを取ってくれました。
何だか、「ガンジス河は気持ちいいから、日本人も見てないで入れよ」とでも言っているかのようですね。
旅行者も、ガンジス河で沐浴できます。ただし当然ながら、自己責任です。
この濁った色を見て、筆者は沐浴は控えました。女性一人旅で、もしバラナシで自分の身に何かあって倒れたりしても、誰も助けてくれないからです。笑
いやー、それにしても、ガンジス河に浸かってるインド人が楽しそうですね!
上の画像の手前に、仰向けになったインド人が河に浮かんでいます。長年水泳をやっていた筆者は、泳ぎたくてちょっと羨ましい。
このガートは、”Bhonsale Ghat”と看板が書いてありました。カタカナで書くなら、「ボーンサル・ガート」でしょうか。
入り口が、二重、三重のアーチになり、水の中に浸かっている様子が、何とも味わい深いです。「水の町にそびえたつお寺」のような雰囲気。
バラナシって、水の町なんだということが、よく分かります。
マニカルニカー・ガート(火葬場)
ボートはゆっくりと進み、「マニカルニカー・ガート(Manikarnika Ghat)」を通過します。ここは、有名な火葬場のガート。
火葬場の付近を通過する時だけ、船頭さんが「ここは写真を取ってはいけない」と、穏やかな声で教えてくれます。
ちなみにこの時、船頭さんとは英語で会話していました。インド人は英語が上手で、どこに行っても英語は通じますので、ご安心ください。
よく見ると、上の画像の右手の方で、火が燃えているのが分かります。また、左手には薪が積んであるのも見えます。
ガート全体が黒っぽくて、もし誰にも何も説明されなかったとしても、一目で火葬場ということが分かるぐらい、独特の雰囲気。
先ほど船頭さんに「写真を撮っては駄目だ」と言われたにも関わらず、筆者はつい好奇心でシャッターを押してしまいました。
すると案の定、「ここは神聖な場所だから駄目」と怒られてしまいました。ごめんなさい。。
ガンジス河考察:世界一機能的な河
ガンジス河では、現地の人の沐浴や洗濯といった日常生活に始まり、牛や動物が身体を洗い流すのも目撃しました。
市民の日常生活に密着した存在であるだけでなく、火葬場まで兼ね備えた河なのです。これはもう、「世界一機能的な河なのではないか?」とすら思えてきます。
生活のすべてをガンジス河と共にするヒンドゥー教の人たちは、とてもユニークで、魅力的な存在です。
注意点
ガンジス河でボートに乗る時の注意点を、以下にまとめます。
- お金の交渉を行うこと
- 料金が高すぎると思ったら、払わずに立ち去ること
- 火葬場付近では、写真撮影を控えよう
筆者は、料金交渉中に面倒になってきたこともあり、400ルピー支払ってしまいました。皆さまは、相場以上に払わないよう、ご注意ください。(T-T)
見どころ③ガンジス河沿いの火葬場ガート
バラナシでは、火葬場のガートを見学しに行くこともできます。自分で見てまわる分には、料金などは無料。
ここは「見どころ」と呼ぶことは、少々憚られるかもしれません。(ブログの構成上付けてしまいました)インドの人にとって宗教上とても重要な場所であり、世界中他のどこを探しても存在しない、唯一の場所です。
バラナシに行ったら、一度訪れてみたい人もいるのではないでしょうか。
筆者は、旅行中のスイス人の友人と、現地で知り合ったインド人に、「マニカルニカー・ガート(Manikarnika Ghat)」に連れて行ってもらいました。
マニカルニカー・ガートは、前述のボートでガンジス河を渡っている時に通った、火葬場ガートです。現地の友人との会話では、英語では”burning ghat”などと呼ばれていました。
上の画像の、中央にある野外スペースが、火葬場なのだそう。筆者が何年か前に行った時は、ここに観光客が立ち入ることはできないと言われ、近くまでは行けませんでした。
その左側にある四角い建物、ここは隣接した待合室のような場所で、観光客も立ち入りができました。
この時の経験は、一生忘れられないものとなりそうです。
マニカルニカー・ガートについて
現地の友人に、ガイドさんを紹介してもらい、マニカルニカー・ガートについて次のように教えてもらいます。
- 火葬場ガートは24時間体制で運営しているが、常に予約でいっぱい
- 一人のご遺体の火葬にかかる時間は、だいたい2時間半前後
- 見学中、特ににおいなどはしなかった
- 写真撮影は禁止
- 隣接した建物から見学していたが、火が常にそばにあるので蒸し暑かった(8月当時)
- 見学に行くのに予約や申請などは不要
- 夜9時ぐらいに見学に行ったが、灯りがなかったので注意
ご遺体の火葬には、一人だいたい2時間半ぐらいかかるそう。ガイドさんは、「現場は24時間体制で、ずっと稼働しているが、常に順番待ちの状態が続いてる」と話してくれました。
バラナシにはマニカルニカー・ガートの他にも、同じような火葬場のガートはありますが、ここが一番大きいのだそう。
また、我々が見学しに行った時は、夜9時ぐらいでした。たまたま夜になってから見に行ったこともあり、灯りがほとんどなく真っ暗でした。(最初ちょっとこわかった)
周辺も建物内も灯りが少ないので、日程に余裕がある人は、できれば昼間に訪れた方がよいです。やむを得ず夜間行くときは、懐中電灯を持って行くことをお勧めします。
インド人ガイドさんと、死生観を話す
さて、火葬場に隣接する建物の中から、時折燃え上がる炎を見つめながら、現地のガイドさんと英語で色々お話をします。
時は夜の9時過ぎ、バラナシに行った時は8月の暑い盛りです。建物の隣では、延々と火葬が続いているため、炎の影響か若干気温が高く感じました。
ガイドさんは、「サントーシ(santosh)」という名前のインド人青年。とても知的な目をした、僧侶のような雰囲気です。
お互い自己紹介をして、しばらく話しをします。彼もまた、ボートの船頭さん同様に「日本人は良い、俺たちヒンドゥー教徒を尊重してくれるから」と言ってくれました。
彼はバラナシ生まれ、バラナシ育ち。外国人観光客の多さにも、慣れっこになっているのでしょうか。
「いつか僕も寿命が尽きたら、このガートで火葬されて、遺灰をガンジス河に流される。そしてそれを、観光客が見てるんだろうな。笑」と、笑いながら話してくれました。
ヒンドゥー教徒にとってなぜバラナシが聖地なのか?
サントーシが非常に知的な人間だと思った筆者は、思い切ってこんな質問をしてみました。
- 筆者「バラナシで火葬されるということは、ヒンドゥー教徒にとってどんな意味があるのか、聞いてもいいですか?」
よく一般的に、「旅行先で、政治や宗教の話はタブー」とか言われてますよね。トラブルの元と言われ、普通は積極的には出さないトピック。でも筆者は、サントーシならきっと上手く答えてくれるだろうと思ったので、振ってしまいました。
実際にバラナシを訪れ、そしてマニカルニカー・ガートに来て分かったのが、「聖地バラナシで火葬されるためだけに、この地に集まるヒンドゥー教徒が、たくさんいる」ということ。ご縁があってバラナシを訪れた者として、彼らの思いをもう少し理解したいと思うようになったのです。
すると彼は、次のように答えました。
- サントーシ「ヒンドゥー教徒にとって、バラナシで火葬されることは確かに特別だ。なぜならそれが、『輪廻転生』から逃れられる唯一の手段だから」
「輪廻転生」というのは、命あるものが何度も転生し、人や動物などの生き物として生まれ変わること。サントーシはこの時英語で、”Reincarnation”という言葉を使っていました。
ヒンドゥー教では、輪廻によって生と死を永遠に(84万回)繰り返すことを、「苦行」としています。なぜなら、人間に生まれ変わるとは限らないから。生まれ変わる先は動物かもしれないし、鳥かもしれないし、あるいは草花かもしれないのです。
そうした永遠に続く輪廻から逃れ、二度と再生を繰り返すことのない「解脱」の状態をニルヴァーナと呼び、最高の理想としているのだそう。
そして、バラナシで火葬されてガンジス河に遺灰を流された人は、永遠に続く輪廻転生から逃れることができる、と考えられています。
このようにガンジス河は、ヒンドゥー教の輪廻転生において、唯一無二の重要な役割を果たす河。だからヒンドゥー教徒にとって、バラナシは聖地なのです。
ヒンドゥー教と仏教の「輪廻転生」の違い
一方、日本人にご縁のある仏教でも「輪廻」が存在しています。よく「生まれ変わったら、何になりたい」とか、普段の会話で出ることもありますよね。
しかし仏教では、徳を積んで輪廻を超越すれば、極楽浄土にたどり着くことができるのだそう。(知らなかった!)
- ヒンドゥー教:ガンジス河に遺灰を流されることが、永久に続く輪廻から解放される唯一の方法
- 仏教:現世での頑張り次第では「極楽浄土」というボーナスステージに行ける
ざっくりと言って、こういうことのようです。ヒンドゥー教と仏教での輪廻の考え方は、この点で大きく異なっていますね。
ガイドのサントーシからその話を聞いて初めて、ヒンドゥー教徒の人たちが、バラナシを「聖地」と呼び、ここに集まるその理由が、やっと分かったような気がしました。
注意点
マニカルニカー・ガートで、火葬場を見学する時の注意点を、以下にまとめます。
- 24時間営業しているのでいつ行っても良いが、なるべく昼間に行く
- やむを得ず夜中に行くときは、懐中電灯を持って行く
- 写真撮影は禁止
筆者は夜中に行ってしまい、足元に何があるのかも全く見えませんでした。皆さまは、昼間に行くことをおすすめします。
マニカルニカー・ガートは、ヒンドゥー教の輪廻転生の舞台ともいえるガート。ちょっと勇気は入りますが、一度訪れてみて、生と死について自分なりに考えてみるのは、価値のある体験なのではないでしょうか。
見どころ④ガンジス河岸のプージャー
最後に、ガンジス河岸で行われる「プージャー」というお祈りも、一見の価値ありです。バラナシの見どころの一つなので、ご紹介しますね。
夕方、バラナシの中心地「ダシャーシュワメード・ガート」を歩いていたら、イスがたくさん並べられ、人が集まっていました。
前方の座席はすでに埋まっていて、後方しか空いていない様子。
ガンジス河岸をよく見ると、ボートに人がたくさん乗っています。そして、そのボートも10隻以上。
バラナシで、こんなにたくさんの人が集まっているのを見たのは、初めてでした。「何ごと!?」とびっくりです。
そして夜19時頃、下の画像のようなお祈りが始まりました。
これは、ガンジス河に向かって祈りをささげている、「プージャー」です。礼拝僧のお兄やんたちが5人、横に並んで礼拝道具を持ち、太鼓などの演奏にあわせて舞っています。
聞けば、このプージャーは、日没の頃に毎日行われているんだそう。
さきほど河岸のボートに集まっていた人たちは、プージャーでガンジスに向かって祈る姿を、河の上から見学していたのかもしれないですね。
後方だとよく見えないので、カメラを持って前の方に行ってみました。
近くで見ると、床の敷物の上に、無数の花びらが飾られています。そして花の首飾りや、花びらのたくさん入ったお皿が準備してあります。
ガンジス河は、亡くなって火葬された方の遺灰を包み込んで流れる川です。「こうやって毎日、死者への祈りをささげているんだな」ということが分かります。
プージャーでは、上の画像のように礼拝僧のお兄やんたちが並んで、ずっと舞いながら祈りを捧げていました。筆者は、小一時間見学させてもらい、まだ続きそうだったので、夕食を取るために一旦プージャー会場からは離れています。
すぐ近くにあるマニカルニカー・ガートでは、24時間体制で火葬が行われ、遺灰がガンジス河に流されています。
筆者のような観光客だけでなく、誰か大切な人や家族を亡くした人が、このプージャーを見ながら、思い出と共に見送っているかもしれません。
注意点
ダシャーシュワメード・ガートで、プージャーを見る時の注意点を、以下にまとめます。
- 人出が多いので、最初から前方の席で見たいなら、早めに行くのがよい
- ただプージャーの途中でどんどん人が帰っていくので、後から前方に移動できる
- 入場無料
- 写真撮影OK
筆者が見た時は、人出が多くて前方の席が空いていませんでしたが、プージャーが長い間続くので、途中で前方の席がどんどん空いていきました。
最初から前方の席を確保できなくても、席が空いたタイミングで、前方に移ればよいかと思います。
まとめ
以上、インド・バラナシのガンジス河の見どころについて、次の4つをご紹介させていただきました。
- ガンジス河の日の出を見る
- ボートに乗る
- 火葬場ガートを見学する
- 河岸でプージャーを見る
バラナシはユニークで魅力ある町です。そこを流れるガンジス河は、世界にどこにもないただ一つの河でした。ぜひ何日か滞在してみてください。
また、バラナシのカシ・ヴィシュワナート寺院での「人生で最もぶっ飛んだ参拝体験」については、体験談:インド・バラナシのヴィシュワナート寺院でお祈りしてみた結果をお読みいただけると嬉しいです。
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