転職して外資系企業に行ってバリバリ稼いでみたい!と思う人にとって、英語面接は避けては通れない関門ですよね。
特に英語面接がセットされるのは、二次面接や最終面接で、そのうえ相手は外国人役員だったりします。「日本語面接でも緊張するのに英語って、どうしよう」と思っちゃうのではないでしょうか。
今回は、転職の英語面接の通過率8割以上の筆者が、「外資系企業の英語面接を通過した時に気を付けたこと」をまとめてみました。
筆者は元々面接が超苦手。たまたま仕事でプレゼンテーションを勉強するうちに、少しずつ学んで行った結果、面接が上達していきました。つまり、「元々イマイチな人でも、気合いで何とかなった」パターンです。
これを読めば、以下のことが分かります。
- 面接前の準備と練習方法
- 伝えるべきメッセージの作り方と覚え方
- 自信のある態度を崩さない
- 説得力がある英語の話し方のコツ
- オンライン面接のコツ
- 英語面接で実際に聞かれた質問例
早速読んでみましょう!
面接(=プレゼンテーション)で準備すべきこと
筆者が考える転職の面接とは、自分を売り込むプレゼンテーションです。一見、面接官との会話のようにも見えますが、本質はプレゼンテーションだと思っています。
例えば、自分が商品で、面接官が購入者だとします。相手がどういう商品を求めていて、何を売り込めば購入されるのか、という点を考えて話す必要があります。これは自分自身のプレゼンテーションと言えます。
面接で「勝つためのプレゼンテーション」をするとなると、準備すべきことは何でしょうか。
面接前の準備と練習方法
面接前には、だいたい次の3つを準備しました。これは、プレゼンテーションの準備とほぼ一致しています。
- 相手に伝えるべきメッセージの選定
- メッセージに関連する具体的なエピソードの選定
- 準備段階での練習方法
それでは、1つずつ見て行きましょう。
①メッセージの選定
自分が応募したポジションにとって、「理想的な人」をイメージします。その理想の人物が持っている「理想的な経歴」をイメージします。その理想の経歴と、自分の経歴で最も近い部分を探し、面接で売り込むべきポイントを3つぐらいにまとめます。
そして「このポイントを言えば、理論上はこのポジションにふさわしい人に見える」というメッセージに絞り込みます。面接当日は、そのメッセージを、自信をもって英語で伝えれば、自分がそのポジションにふさわしいことを証明できます。
筆者の場合は、面接でよく聞かれる「志望動機」の補足のような感じで、「これを伝えれば理論上は合格なはず」という点を3つぐらいに絞っていました。自分の経歴に足りない点があれば、ここでメッセージに入れて強調することも可能。
例えば、マネジメントのポジションに応募していても、あまりマネジメント経験が無かった場合。正式な役職ではなくても、似たような仕事をしていれば、それについて詳しく話し、自分がマネジメントに近い経験があることを伝えた方が良いです。もちろん、嘘や誇張にならない範囲で。
②具体的なエピソードの選定
①で選定したメッセージに対応して、自分がその経験やスキルを持っていることを証明できるエピソードを、複数考えておきます。
例えば「仕事でパフォーマンスを改善した経験」について聞かれた場合、通常はエピソードを1つ伝えて、そのトピックは終了することが多いです。ただ時々、「面白い話だね」と興味を持たれ、「その話以外でも何かある?」と突っ込まれることも。
筆者は、2つ目以降のエピソードを何も考えておらず、役員面接で突っ込まれて困ったことがありました。その時は、他のメッセージで考えていたエピソードを話して、乗り切ったことがあります。
何か話せるネタを、複数持っておくと良さそうです。
③準備段階での練習方法
話し方の練習方法も書いておきます。
英語ネイティブの人も、プレゼンテーションは原稿を作って何度も練習します。帰国子女でも英語ネイティブでもない我々が、英語でプレゼンテーションする場合、当然のことながら、その倍ぐらいの練習が必要になってきます。
ということで、①と②で「このポイントを言えば、理論上はこのポジションにふさわしい人に見える」という完璧な原稿を作ったら、要点だけ暗記します。このとき、原稿の一言一句を暗記してしまうと、不自然だし時間もかかるので、筆者は要点だけ覚えました。
もし可能であれば、鏡の前で英語でスピーチ練習してみましょう。
「自己紹介」だけでも、淀みなく英語で話し続けるのって、なかなか難しいんですよね。途中で言うべきことが分からなくなったり、言葉に詰まった時の自分の表情を鏡で見ると、「これはマズイ」と思ったりします。
その体験を元に「まずは原稿を覚えよう」とか、「よく分からなくなっても無言にならず、話し続けよう」など、自分で対策を考えることができます。
筆者は、面接もプレゼンテーションも大の苦手でした。でも仕事で英語のプレゼンテーションをする機会が続いたため、ちゃんと勉強せざるを得ず、気づいたら結構慣れてきたのです。試しにこれまでに受けた英語面接の通過率を計算してみたら、8割以上合格していました。
筆者のようにプレゼンテーションが苦手な人間でも、だんだん慣れてきたということは、準備して練習すれば他の人にもできると考えます。
面接=プレゼンテーションである以上、ポイントは「どれだけ準備するか」だと思います。
特に英語面接となると、準備不足の人が多い分、適切に準備しておくだけで合格率が高まるんじゃないでしょうか。
準備したメッセージをどこかのタイミングで伝える
転職の面接ではだいたい冒頭に「簡単に自己紹介して」と言われるので、「let me introduce myself briefly」などと前置きして、1-2分で話します。ここでは詳細を話さず、ポイントだけに留めます。興味を持たれたら後で質問されるからです。
会話の流れに乗って、準備していたメッセージを1個ずつ出して行きます。「このポイントを言えば、理論上はこのポジションにふさわしい人に見える」というメッセージを、仮に3つに絞った場合、その3つ全部を会話にちりばめて、必ずどこかのタイミングで伝えるようにします。
自信のある態度を崩さない
プレゼンテーションをする時、「自信があるように見えている」ことは、最も大切な点の一つです。転職の面接も同様だと考えます。
特に英語面接に呼ばれる時は、だいたい二次面接以降で、場合によってはグローバルの役員と一対一で話す最終面接だったりします。
そんな場面で緊張するなと言う方が無理なんですが、仮に自分に経験があまりなかったとしても、面接に呼ばれている以上は最低限のラインをクリアしていると考えて、自信を持って話したいですね。
それでは、プレゼンテーションで「相手が見ているポイント」について考察してみます。
話の内容よりも態度が伝えるもの
筆者は以前、英語プレゼンテーションのトレーニングを、海外に受けに行きました。英語圏の人たちが20人以上いる前で話し、更にその場の参加者全員の議論を促す、というハードな内容。
この時、最初の自分のパートは想定通りに進めたのですが、途中から参加者のディスカッションが活発になりすぎて、参加者同士で言い合いになっちゃいました。そして20人以上の視線を前に緊張していたこともあり、その場を英語で上手く収められなかったのです。
当時の筆者が経験不足だったことを別として、その場を収められなかった原因を考えてみました。
- 外人の参加者同士で言い合いになった辺りから、諦めが入った
- 何としても自力でこの場をまとめるという意思が無く、制止できなかった
上記のような感じでしょうか。自ら「諦めモード」に入り、助けを待ってしまったんですね。
その時にトレーナー(インド人)から言われたのは、「君の自信の無さが、態度で伝わってくる」ということでした。具体的には、手を体の前で揃えてしまったり、何て言っていいか分からなくなって無言になってしまったんです。
自分に経験がなくて、いまいち自信が持てない場面も多々あります。でも実際に相手が見ているのは、「経験があるかどうかではなく、自信があるかどうか」だったりするんですよね。
ということで、英語面接でも同じです。たとえ突っ込まれて、「ボールを打ち返すのがやっと」だったとしても、表面的には「自信がある態度」は維持していきましょう。
説得力がある英語の話し方のコツ
次に、英語の話し方のコツについても見ていきましょう。
筆者は面接だけでなく、英語でのプレゼンテーションや会議、通訳経験などもあり、色々と場数を踏んでいますので、経験をもとに書いていきます。
低いトーンで力強く話す
特に女性の場合、英語での発声についてもコツがあると思います。英語圏の人と仕事をしたことがある方は、何となく想像つくかもしれませんが、日本人女性に多い「高くて可愛らしい声」だと、相手にされないことがあるのです。
例えば、BBCやCNNなど英語圏のニュース番組の女性アナウンサーをイメージしてみてください。甲高い声で可愛らしく話す人は少ないことに気づきます。むしろ、声のトーンは低く、力強いんですよね。
こうした低い声の人が多い中で、日本人が小さくて可愛らしい声で話してしまうと、仮に正しいことを言っていても聞く耳を持たれなかったり、子供っぽく受け取られてしまい、侮られる場合があります。
筆者が外資系企業に入ってしばらくした頃、一緒に働いていた上司(アメリカ帰国子女)に、こう言われました。
「もしかしたら、日系企業では『可愛さ』が求められたのかもしれない、女性は可愛くあるべきと、誰かに言われたかもしれない。でもこの職場では可愛さは不要」と。
上司は日本人でしたが、このセリフからも何となく分かる通り、完全に西洋の考え方の人物でした。「なるほど、西洋人からは自分はそう見えるんだな」と、妙に納得しました。笑
特に日本人は、西洋人と比べて、見た目が若く幼く見られがち。そんなハンディはあっても、信頼を得る英語の話し方は、ちょっとした工夫で身に付けることが可能だと思います。
受け手の印象を考える
ということで試しに、「let me introduce myself briefly」という自己紹介の前置きを、話してみてください。最初は、①高くて可愛い声で。次に、②お腹から出す低くて太い声で。
受け取り方は、どのように変わりますか?
更に言えば、どちらの人に大事な仕事を任せたいですか?
同じことを言っていても、後者のお腹から出す低くて太い声の方が、よりプロフェッショナルで権威があるように聞こえるのではないでしょうか。これは難しいスキルは不要で、知っているか知らないかだけの問題だと思います。
このように英語を話すためには、意識してお腹から声を出し、トーンを低くすることがポイントです。英語圏の女性アナウンサーのように落ち着いた声のトーンで話せば、同じことを話していても、そこに説得力がプラスされ、マチュアな印象になるはず。
でも面接で突っ込まれて焦ったりすると、自然と元の高いトーンに戻っちゃうんですけどね。笑
文末の子音を発音する
もう一つ筆者の元上司(アメリカ帰国子女)から学んだのですが、英語を話す時に、末尾の子音(t/dなど)を丁寧に発音するようにすると、品が良い英語に聞こえます。
アメリカ英語だと、最後の子音(t/dなど)は発音しなかったり、飲みこんでしまうことも多いですが、それを敢えて発音するのです。
例えば、「I got what I wanted」のような文があるとします。アメリカ的に読むと、赤文字のt/dの発音は省略されがちです。
「I got what I wanted」
この赤文字のt/dを、飲み込んでしまわずに、発音するだけです。
その上司はプレゼンテーションの達人だったのですが、ここぞという場面では、上記のような丁寧な話し方をしていました。もちろん、声のトーンは力強く低かったです。
内容のしっかりしたプレゼンテーションを、話し方にも気を付けながら伝えると、聞いているだけでも何だかエレガントで、魅了されるんですよね。
(なお、筆者は上司をお手本にして近づこうと努力していましたが、彼女のレベルには達してません。笑)
これも難しいスキルはほとんど不要で、知っていればすぐに実践できることの一つです。自分を売り込みたい時には、ぜひお試しください。
オンライン面接のコツ
オンライン面接の利点、それは何と言っても「自分のレジュメと原稿を見れること」ではないでしょうか。筆者は、パソコンの右側に面接の画面を出し、左側にレジュメと原稿を置いて、困った時は参照しながら話していました。
原稿は、ワードで作った文章のポイントを黄色でハイライトし、言うべきことをうっかり忘れた時や、良いエピソードが思いつかない時にパッと見れるようにしました。
準備時間があれば、転職サイトなどで配布している「想定質問集」を見て、回答を英語でドラフトしたり、話せるエピソードを英語で追記しておいたり。
ただし、相手から見て、自分の目線がおかしくならないように注意しましょう!オンライン面接の方が、原稿を見ながら淀みなく話せるのでラッキーですよね。
実戦練習の場は「オンライン英会話」もアリ
実戦練習として、巷の「オンライン英会話教室」を利用するのも一つの手。今や、お手頃な価格で英会話を練習するには、オンライン英会話は欠かせないですよね。
筆者の同僚の中には、実際の英語面接の練習を、オンライン英会話でチェックしてもらう人もいました。「フリートーク」など自由なテーマで話せるレッスンを選べば、先生が面接の練習もしてくれるのだそう。
「オンライン英会話教室って色々ありすぎて、どれがいいか分からない!」と思った方は、料金比較:オンライン英会話教室の選び方とは?大人向け・ビジネス英語の記事をご参照ください。筆者が実際に使ってみて良かったオンライン英会話だけを、ご紹介しています。
英語面接で聞かれたことがある質問例
参考までに、これまで転職時の英語面接で聞かれたことのある質問を、書いてみます。
- 自己紹介
- これまでの職歴と、そこから学んだこと(Learning)を1社で1個ずつ
- ポジションへの志望動機
- マネジメント経験
- 成し遂げたことの詳細
- 退職理由
- なぜこの会社か
- 業界への志望動機
- 前の仕事で一番大変だった経験
- ケーススタディ(問題が起きた時の判断方法とその理由)
- 自分の性格について
英語でも、だいたい日本語面接と似たようなことを聞かれてます。
一つだけ、日本人があまり聞かないけど、外人に聞かれて一瞬つまったのは、上から二番目の「これまでの職歴から学んだこと(Learning)を、1社で1個ずつ話す」というもの。
正直言って全く考えてなかったので困りましたが、幸いオンライン面接だったので、自分のレジュメを見ながら勢いで答え、その面接は何とか通過できました。
読者の皆さまは、1社ずつ「Learning」も準備しておいてくださいね!
まとめ
以上、外資系企業への転職時の英語面接をテーマに、次のことについて書かせていただきました。
- 面接前の準備と練習方法
- 伝えるべきメッセージの作り方と覚え方
- 自信のある態度を崩さない
- 説得力がある英語の話し方のコツ
- オンライン面接のコツ
- 英語面接で実際に聞かれた質問例
最後に、英語面接で役立つフレーズをご紹介しておきます。
“Does that answer your question?“(ご質問にちゃんと答えていますでしょうか?)
英語圏の人がインタビューなどでよく使っているので、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。ここで自分の答えが的を得ていたら相手は「Yes」と言ってくれるし、「うーん、ちょっと違うんだよな」と思っていたら、補足してくれます。
筆者も使ったことがありますが、謙虚に聞こえながら相手の意向を確認できる、便利なフレーズ。
外資系企業のエグゼクティブは多忙で、まさに「時は金なり」です。聞いたことに答えていないと、一瞬で「使えない」と思われちゃうことも。リスク回避のためにも、会話の中でこうやって確認して行きましょう!
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。読者の方の英語面接の参考になれば嬉しいです。
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